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118. ソリ – ぶつかる 2
あなたも、スクールバスより、ソリで学校に通いたいと思いますか?
スイスの山に住んでいるアネットとルカスは毎朝、ソリで谷間に向かってびゅんびゅんとすべって行きます。でもいっしょにではありません。二人はどうも、おたがいが好きになれないからです。おたがいになかよくするのって、なんでこんなにむずかしいのでしょう。火曜日に、こんなことがありました。ルカスがそうしようとしたのではありません。本当に、わざとしたわけではなかったのです。すごいいきおいで、アネットのソリにぶつかってしまい、アネットはみぞにはまってしまいました。
アネット: 「バカ!ちゃんと気をつけてよ。あんたの顔には目がついていないの?」
ルカス: 「アネット、ごめんよ。ちょっと待って、今助けるから。」
アネット: 「消えてちょうだい!あなたに助けてもらわなくてもいいわ。」
ルカス: 「そんなにおこるなよ、ふゆかいなやつだ。」
アネットの体はしんまで冷え切っていました。教科書はぬれ、学校にも、もうちこくです。
先生: 「アネット、どうしたんだい?」
アネット: 「ルカスのせいなんです。あいつがわたしをみぞにはめたんです。それからルカスはわたしを一人のこして行ってしまいました。」
みんなはアネットをかわいそうに思い、ルカスはみんなからにらまれました。アネットもルカスと同じくらいひどいことを心の中で思っていたのに、そんなことだれも知りませんでした。みんな、アネットのことは、お母さんのいないやさしいクラス・メイトだと思っていました。
人は見かけだけを見ていますが、神様はその人の心の中を知っています。
しずかな声が、アネットとルカスに、「にくしみはつみだ」と言いました。しかしだれも始めの一歩をふみ出そうとはしません。それですべてがさらにずっとひどくなりました。
春、雪がとけたころ、ルカスは山で、ダニがねこのユキといっしょにいる所に出くわしました。
ルカス: 「そこで何をしているんだい?」
ダニ: 「アネットのために、花をつんでいるんだ。」
ルカス: 「そうか、そうか、アネットにね。君の姉ちゃんは、ばか者だ!」
ルカスはダニのつんだクロッカスをうばい取り、地面になげつけて、ふみにじったのです。
ダニ: 「パパに言いつけるから。」
ルカス: 「そんなことはさせない。」
ルカスはダニのねこを取り、深い谷間の上にかざしました。その後のことは、すべてがものすごいスピードで起こりました。ユキがルカスを引っかき、ルカスはねこを手ばなしてしまったのです。五さいのダニはルカスに飛びかかり、足をすべらせて深い所に向かって転げ落ちてしまいました。あっけにとられたルカスは谷間を見つめていました。
ルカス: 「ダニ!ダニ!生きているか?何か言ってくれ。」
返事がありません。ルカスは周りを見わたし、家に向かって走りました。な屋にかくれ、なきつづけました。
その後どうなったのか、次の回で聞けますよ。
登場人物: 語り手、アネット、ルカス、先生、ダニ
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